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雨が続くとミツバチははちみつが集められずに養蜂箱の中でお腹が空いてしまいます
えー、どういうこと〜!って思いますよね。どうしてミツバチは雨が続くとお腹がすくのでしょうか?
まあ、これにはいくつかの条件が重なったらの話なのですが。雨が降るとミツバチは、養蜂箱からは出ることができません。なぜなら、ミツバチは雨粒に当たってしまうと飛ぶことができないからです。下手をすると怪我をしてしまいまうからです。
そして、外に出られないと当然、蜜や花粉を集められずお腹が空いてしまうのです。
梅雨の季節はミツバチにとって最悪の季節
梅雨は大抵6月の中旬くらいから7月の下旬頃まで続きます。近年は空梅雨ではなく、かなりの記録的豪雨になることが多く、長雨が続くことも珍しくありませんよね。先に話したように、雨が降るとミツバチは外に飛び立つことができないので最悪です。しかも、大雨の後の花は、雨粒が当たってしおれたり地面に落とされり。花粉が水で濡れたり、せっかくの蜜が雨水で流れでたり・・・・。全然いいことがないのです。
しかも、この梅雨のタイミングがこれまた最悪。なぜなら、ミツバチが分蜂(蜂の巣から古い女王蜂が分家して出ていくこと)して新しい新居に巣作りを始めるのが大体4月〜6月なのですが、この時期には新しい巣作り作業に追われて巣の中に十分な蜜や花粉が蓄えられていないからです。食料備蓄とも言えるはちみつや花粉が十分蓄えられていないこの6月頃に梅雨の長雨が重なってしまうと、巣の中に食べるものがないのでお腹が減ってしまうのです。
僅かな蓄えであるはちみつも、次の世代の働き蜂になる幼虫に与えなくてはなりません。そうしないと、その巣の一群が全滅してしまいます。
怖い話になってしまいますが、このタイミングで同じくお腹を空かしたカマキリやクモ、ムカデなどの昆虫がミツバチを食糧にするために巣を襲ったりもするのです。
ミツバチも怖がる雨粒とは
ミツバチが怖がる雨粒ですが、一体どれぐらいのものなのでしょうか?「お天気.com」の記述では、上空から降ってくる雨粒の大きさは通常2~4ミリで、大粒のもので5ミリぐらいらしいです。そして、雨粒の落ちる速さは、1ミリの雨粒で1秒間に約4m、2ミリの雨粒で約6m。
日本ミツバチの体調は訳13mm程度なので、その小さな体に5mmもの雨粒が秒速10m以上で当たってきたらひとたまりもありませんね。人間で言ったら、タライに一杯の水を叩きつけられるようなものです。タライ一杯分の水の粒がひっきりなしに上空から落ちてくる所には、流石に人間でも怖くて出れないですよね。
実は梅雨や長雨の増加で日本のはちみつ生産量は落ち込んでいるのです
長雨でミツバチがお腹を空かせてしまうのはわかっていただけましたよね。で、実はこのせいで日本国内のはちみつの生産量が年々減少していることを知っていましたか?梅雨のせいだけではなく複合的な理由ではあるのですが、梅雨や台風が一因である事は確かなんです。
この数年の異常気象で、日本列島が温帯から亜熱帯科化してきてしまい、雨が多く台風も多く通過していくようになりました。しかも、今まで台風の被害がなかった北海道にも台風が勢力を保ったまま通過してしまうようになってきたのです。
九州や四国、本州の養蜂家にとってもミツバチにとっても辛い異常気象ですが、実は北海道にとっても非常に大きな痛手なんです。皆さん知らないと思いますが北海道はとても大きな蜜源を持つはちみつ生産地なんです。
そんなことが原因で、国内のはちみつ生産量が激減してきているのです。
はちみつ好きにとっては恵の雨とは行かないようです
もちろん梅雨の雨は恵の雨で、多くの草花、樹木に水をもたらしてくれます。それでも限度があるということです。今回の記事読んだはちみつ好きの方は、雨が降る度に、ミツバチの心配をしてくれるようになればいいなーと思っています。
スプーンいっぱいのはちみつにも、色々なドラマがあることを知ると、よりはちみつの深い味わいを楽しめるようになるかもしれませんよ。