はちみつとミツバチの知っておきたい事

国産はちみつが激減しているのです

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国産のはちみつが激減しています

皆さんが大好きなはちみつですが、意外にその流通量に関しては関心を持ったりしないですよね。美味しいはちみつが買えて、食べられたら、流通の現状なんてどうでもいいわ・・・って思いますよね。それが普通です。

でもでも、皆さん、そうも言っていられなくなってきているんです。このままでは、日本国内で採取されるはちみつが食べられなくなるかもしれません。今、国産のはちみつが激減し、危機に瀕しているからなんです。

今、国産はちみつは全流通量のわずか6%

日本に流通しているはちみつの中で、国産はちみつはわずか6%しかないって知っていましたか。つまり、日本ははちみつ自給率が6%だということです。スーパーでも百貨店でも普通に売られているはちみつは日本語表記のパッケージデザインなので、ついつい日本産と勘違いしてしまいますが、裏の品質表示の「原産国」を見てください。まずほとんどが外国の名前が記載されていることでしょう。多くが中国、アルゼンチンなどです。

それもそのはず、国産のはちみつはもう高級品となってしまい、私たちが普段気軽に食べているはちみつはほぼ海外からの輸入品なんです。輸入品というとなんだか高級な感じがしますが、そうではなく、原材料として輸入され、日本国内で加工・瓶詰め作業がされているだけなのです。しかも、その輸入と加工作業工程の中で著しくはちみつとしての品質を損ねてしまっているものがほとんどなんですよ。

この表をご覧ください。農林水産省が令和元年に出しているはちみつ流通の資料の一つです。国産はちみつと輸入はちみつの割合がとてもわかりやすく表現されています。ほとんどが中国とアルゼンチン産のはちみつなんですね。前述の通り国産はわずか6%しかありません。

国内のはちみつ消費量は増え続けている!

国内のはちみつ自給率は減少しているのにもかかわらず、国内のはちみつ消費量は増加しています。この現象は、はちみつに限らずほとんどの食料がそうなのでしょう。日本人の未来が本当に危ぶまれます。作るのは嫌だけど、消費はしたい!これが今の日本の姿です。

国産はちみつは高級品

これほど生産量の少ない国産はちみつなので、今はもう高級品となってしまいました。百貨店や、はちみつ専門店、または養蜂場の直営店、もしくはウェブ販売ぐらいでしか手に入れることができなくなっています。私たちの普段の生活圏であるスーパーではほぼ国産はちみつは手に入らないでしょう。身近なお店では買えないのです。もし取り扱っていたとしても、価格が輸入品の2倍から3倍以上はするはずです。もし、国産なのに安い値段で販売されていたら、品質を疑う必要がありますよ。

全ての輸入はちみつが粗悪なわけではありません

ただ、勘違いしないでいただきたいのが、単純に輸入はちみつが品質が悪く、国産はちみつが品質がいい・・・ということではないのです。むしろ輸入はちみつの方が国産はちみつよりずっと品質が良いものがありますし、国産でもとても品質が悪いものも存在するんです。以前の記事でも書かせていただきましたが、ことはちみつに関しては、ずーと海外(特にヨーロッパ)の方が歴史が古く、しかもはちみつの品質基準も日本よりとても厳しいのです。私が品質を懸念するのは原材料として輸入されてくる海外のはちみつなんです。輸入段階と、日本国内で加工される際にはちみつ本来の品質を著しく損なってしまうからです。

その理由を詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください→こちら

国産ハチミツの生産が激減しています

ただでさえ、国産はちみつの生産量は少ないのに、今さらにその生産量が減少しているそうです。生産量が多く、価格も圧倒的に安価な中国産ハチミツに押されている上、養蜂家の高齢化や後継者不足によって生産者の数が急激に減っているのが一因です。

しかし、実は原因はそれだけではなく、いやむしろ他に深刻な原因があったのです。最大の原因は、養蜂家とミツバチがいくら頑張っても十分な蜜が採れなくなってきているということなんです。蜜が採れない!それはどういうことなんでしょう?

蜜源が急激に無くなっている日本

国内で蜜源が急減しているんです。だからいくらミツバチが広く飛んでも蜜を集められなくなって、ミツバチも、下手すると栄養が足りずに病気などに弱くなり、さらに悪いことに数も増えないのです。

養蜂家は、花のある場所を探して移動しながらミツバチの巣箱を置いていきます。(現在は移動式ではない養蜂家も多いのですが)。養蜂家は農家に蜜源となる花の種子を渡して栽培してもらったり、自ら樹木を植林したりもするそうです。それでも足りないぐらい、蜜源となる花や樹木が減少しているということです。

なぜ蜜源が減っているのでしょう?

蜜源の急激な減少にはいくつもの原因があげられます。それら一つ一つが原因となり、また複雑に影響し合い、最終的にミツバチが蜜を集め難くしているのです。では考えられる原因を、いくつかお話ししていきましょう。

農業の衰退で現象する蜜源

その理由の一つは、農業が衰退して、休耕と開発などで農地が減っていることがあげられます。大きな蜜源であるレンゲやクローバーの栽培が減ってしまったため、国産のレンゲはちみつが最近はすぐに売り切れてしまいます。レンゲ畑といえば、古き日本の田舎の原風景と言ってもいいでしょう。レンゲの花で冠を作ったり、寝転んで空を見上げたり。そんなことができる場所は、最近どこにも見つけることができません。

こともあろうに、品種改良により、蜜や花粉の量が減らされた果樹や園芸品種が栽培もされるようになっているそうです。

また、よく見かける「アカシアはちみつ」の蜜源となるニセアカシアに至っては、要注意外来種に指定されたため、新たな植樹ができなくなっているのです。全て、私たち人間の都合です。

この表をご覧ください。データ上も急激に蜜源となる花や樹木が減少しているのがわかります。

地球温暖化も実は影響している

あと、忘れてはいけないのが異常気象です。異常気象で雨量が激増していますよね。花の季節に雨が続くとミツバチは飛べなくなるので、蜜が採れない期間が増えてしまっているそうです。これまで梅雨がないとされた北海道(養蜂のメッカ)でさえも初夏に長雨が続く年が増え、さらに台風も頻繁にやってきて甚大な被害をもたらしています。

異常気象による温暖化の進行では、ミツバチがまだいないうちに花が咲いてしまうことも起きています。養蜂家は、通常3月中にミツバチの数を増やして4月以降の花の季節に備えるそうですが、温暖化により、ミツバチが活動し始める前に、多くの花が咲いてしまいと蜜を採ることができなくなっているんです。

意外な原因!蜜源の減少は野生動物の増加も関係していた

シカとイノシシが増えすぎて獣害が深刻化しているのはよくニュースで流れていますよね。特にシカの食害で森林が荒れていると指摘されていますが、その中に蜜源植物も多く含まれているんです。冬から春が来る前に、気がついたら山野がまったく蜜源となる草の生えていない状態になっているなんてことはよくあることなんです。それでは春になっても花は咲きません。

私が日本ミツバチの飼育をしている山の麓の草原も、以前はハーブや花で覆われていたのですが、近年は鹿が何頭もやってきて、全て食べ尽くしてしまいます。さすがに初夏になると山にもたくさんの食料が増えるので、多少は残してくれるのですが、ミツバチに取ってはたまったものではありませんよね。

この写真は、私が養蜂箱を置いている丘の冬の様子です。ご覧のように鹿がやってきて僅かな緑も食べ尽くしてしまっています。

この写真は、冬のハーブ畑なのですが、土が掘り返されていますよね。なぜだと思いますか?実はこれは猪が掘り返して、草の根やミミズを探し回った後なんです。すごいパワーで、最初誰かがトラクターで掘り返し作業をしたのかと思ったぐらいです。

まとめ

日本国産のはちみつが激減している理由をいくつかご紹介しましたが、私の持っている危機感に共感いただけたでしょうか?全てのことはつながっているとはよく言われることですが、まさか、温暖化や鹿の増加まではちみつにつながっているなんて思いもしなかったですよね。極端な言い方かもしれませんが、できるだけ車を使わないようにすることで温暖化の進行を防げ、それで美味しいはちみつを食べられるようになる!ということです。

「はちみつは太陽とミツバチからの贈り物」というメッセージを送っていますが、それが可能となる環境を人間が破壊してしまっては贈り物も何もありません。求めるだけではダメなんです。そんなことを今回は考えさせられました。

なんか、環境問題まで語っちゃいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございました。

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