はちみつとミツバチの知っておきたい事

いちご栽培で大活躍のミツバチだけどいちごの花から蜂蜜は出来るのかな?

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いちご栽培で大活躍のみつばち

みんな誰でも大好きないちごですが、その多くはビニールハウスで栽培されているというのはご存じでしたか?。
春のいちご狩りをビニールハウス施設に行き体験された方も多いのではないのでしょうか。

しかし、いちごのビニールハウスの中で、実はみつばち達が大活躍なのはあまり知られていないかもしれません。
そこで今回は、ハウス内のみつばち達のお話をして行きたいと思います。

ポリネーター(花粉媒介者)として大活躍するみつばちたち

ポリネーターというのは、花粉や花蜜を集める時に、受粉を促進する花粉媒介者のことをいいます。
それはみつばちだけでなく、マルハナバチやチョウチョ、ハエやその他の花に集まる昆虫全般のことを指す言葉です。
世界中の食物の70%以上がこのみつばちたちポリネーターによって受粉され実を付けているといわれています。
果物や野菜、木の実、多くの植物にとって受粉をサポートしてもらうのは次の世代の種を残すためにも欠かすことのできないことなのです。

もちろん、その恩恵を受けている人間にとっても同じです。
もし、地球上からみつばちがいなくなったら数年で人類は滅亡してしまうと言われているぐらいです。
なぜなら、人間に必要なのは何も植物や果物だけに限らず、肉や乳製品などがありますが、その元となる家畜も、餌として植物を必要とするからです。

話がそれてしまいましたね。

話をいちごのビニールハウスに戻しましょう。
いちごのビニールハウスではイチゴの栽培が9月頃から始まり、10月から翌年5月頃までどんどん花を咲かせ、実をつけていきます。

その間、いちごの花を受粉していくのがみつばち達の役割なんです。

でも、あれ?ビニールハウスはビニールで覆われていて昆虫は出入りできないのでは?

そもそも10月以降の冬場はみつばちは活動できないんじゃないのかな?

って疑問に思いますよね。

いい所に気づかれました。

実は、いちごのビニールハウスにいるみつばち達は、受粉作業用にハウス内で人工的に飼われている西洋みつばちなんです。
1つのビニールハウスの中に1つか2つのみつばちの巣がおいてあり、1つの巣には5000匹から10000匹程度が住んでいます。
ちゃんと専門のみつばち業者さんがいらっしゃって、いちご農家さんはその業者さんからレンタルでみつばちの巣を貸してもらうのです。

レンタルできる受粉用みつばちの巣は、女王バチが入っている場合と入っていない場合があります。
※入っていると卵を産み蜂の数を増やしてくれますが、入っていない場合は蜂の数は減っていく一方となります。
女王バチが入っていると今度はレンタル代が高くなります。

気温に関しては、冬場でもビニールハウスの中は日中であれば20度を超えるため、みつばちにとっては十分な暖かさなので活動できるのです。

いちごの花に蜜と花粉はあるのかな?

みなさん、いちごの蜂蜜って聞いたことがないですよね。あったらきっと美味しくて大人気になることでしょう。
でも残念ながらありません。
実はいちごの花には、蜜はほとんどなく、花粉もごく微量なのです。
ですから、いちごハウス内のみつばちは一生懸命いちごの花を回って花粉や蜜を集めますが、全然足りず、そのままでは餓死してしまいます。
そのため、人間が人工的に餌を与えているのです。

まるで受粉だけさせて酷使しているようで心苦しいですね。
あんなに美味しいいちごが実るのは、みつばちが体を張ってがんばってくれているおかげなんだということを私たちは心にとめて感謝の気持ちを持たなければいけませんね。

みつばちの寿命はとても短いのです

みつばちの寿命はおよそ1ケ月と短命です。
餌が十分でなかったり、ハウス内の環境が悪かったりすると更に寿命は縮んでしまうそうです。
女王バチが入っている巣なら卵を産んで働きバチを補充してくれますが、女王がいない巣では、働きバチの寿命が全て尽きたとき、子孫のいないその巣は役目を終える運命です。ちょっと悲しいですね。

みつばちは分類でいうと家畜なんです。

実はみつばちは人間のつくった勝手な分類ですが、「家畜」という分類に入ります。
牛や鶏と同じ扱いなのは意外ですが、牛が乳を出し、鶏が卵を産むように、みつばちは「はちみつ」を生産してくれるため「家畜」に分類されるのは納得ですね。

家畜は飼育する際に所轄の県庁の畜産課に届け出を出さなければいけません。
みつばちも家畜である限りは届け出が必要ですが、いちごハウスのみつばちは受粉用のレンタルのため、届け出は必要ないようです。

みつばちが激減していてレンタルが難しくなってきています

実は世界的にみつばちが激減していて、大きな問題になっています。
それは、農薬によるものだったり、環境変化によるものだったりと要因が複合的ですが、農家にとっては将来を危惧する環境問題にまで発展しています。

いちご農家さんでもみつばちをレンタルしたいところですが、手に入りにくくなっているため、しかたなく他のポリネーターとして「マルハナバチ」や「ハエ」を代用としてレンタルする場合もあるようです。
私の知っているいちご農家さんでも「ハエ」を利用していますが、いちごとみつばちは絵になっていちごを美味しく感じられますが、いちごにハエはイメージが悪く、ちょっと嫌な感じです。
みなさんも、いちご狩りに行って、いちごのまわりにハエが飛んでいたら嫌ですよね。

でも、いちご農家さんも背に腹は代えられない、やもおえない措置なので、もしいちご狩りでハエを見かけたら目をつぶってあげてくださいね。

まとめ

いちごハウスで大活躍のみつばちについて書いてきましたが、みつばちはハウスの中で受粉するための家畜として飼育されていること。
そして、いちごの花には蜜も花粉もほとんどないため、「いちごはちみつ」を作ることはできず、みつばちたちは餌をもらわないと餓死してしまうこと。ご理解いただけましたか。

最後に書いたように、そんなみつばちが激減している現実があることもどうぞ記憶にとどめておいていただけたらと思います。

あ~。「いちごはちみつ」があったらよかったのに。どんなに美味しい食べ物になったんだろうと夢想してしまいます。

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