みなさん、まずは質問です。メイプルシロップは「はちみつ」じゃない!って知っていましたか?意外に多くの方が、この2つを混同し、メイプルシロップをはちみつの一種だと勘違いされているようです。・・・かくなる私も小さな時はそうでした・・・
両方とも天然素材の栄養価の高い甘ーいスーパーフードであることは確かですが、この2つの違いを詳しく知る人は少ないでしょう。
そもそも、メイプルシロップは植物のカエデ(サトウカエデ)の樹液を煮詰めたものですし、はちみつはミツバチが花の蜜を採取して巣に貯蔵したものです。全く成り立ちからして違うものなんですよ。
どちらも褐色の甘くドロ〜とした液体なので同じように見えますが、それぞれ特徴のある違うものとして捉えた方が良いのです。
そこで今回は、この2つを徹底比較してみました。
目次
メイプルシロップとはちみつの特徴比較・おまけに白砂糖の比較
赤ちゃんのいるお母さんをはじめ、この2つをうまく生活に取り入れたいと思っている人は必見ですよ。
そして、この2つの食品の特徴、良い点劣る点を理解した上で、目的に合わせてケースバイケースで選択し、その能力を最大限生かした食べ方をして、健康な体と美しさを手に入れてくださいね。
※データ:文部科学省食品成分データベース引用
この表を見れば、はちみつとメイプルシロップの違いは歴然ですね。圧倒的にカルシウムとカリウムの含有量が違います。この二つのミネラル栄養素は次のような働きを持つものです。
●カルシウムは、骨や歯の主要な構成成分になるほか、細胞の分裂・分化、筋肉収縮、神経興奮の抑制、血液凝固作用の促進などに関与しています。
●カリウムは、ナトリウムとともに、細胞の浸透圧を維持しているほか、酸・塩基平衡の維持、神経刺激の伝達、心臓機能や筋肉機能の調節、細胞内の酵素反応の調節などの働きをしています。 また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制して、尿中への排泄を促進するため、血圧を下げる効果があります。
ちょっと難しい表現ですね。簡単にいうと、カルシウムは骨や歯の成分や体を作る成分なので丈夫な体作りに役立つ。そしてカリウムは血圧を安定させるということでしょうか。
カルシウムやカリウムが豊富なメイプルシロップは大人が摂取しても健康で丈夫な体を作るのにとても良いのは当然なのですが、小さなお子さんのいるお母さんにとっては幼児に大切なこの2つの栄養素を含んでいるメイプルシロップは健やかな成長のためにとても良い食品だと言えます。
もう少し、それぞれの項目について具体的に比較してみましょう。
かなり明確な違いがあり、それぞれメリットとデメリットがあることがわかります。
何がどう違うかは、次の比較表を見れば一目瞭然なので、詳しくは書きませんが、それぞれ、特質した良い点があり、どちらが優秀とか比較するものではないなというのが感想です。
しかしあえていくつかあげるとすると
❶抗菌作用を求めるなら→はちみつ
❷ミネラル栄養素を求めるなら→メイプルシロップ
といった所でしょうか。
ただ、健康上注意しておかなければいけないことがあります。ボツリヌス菌の有無です。
はちみつはボツリヌス菌が含まれる可能性があるので、1歳未満の乳幼児には与えてはいけませんが、メイプルシロップは摂取しても大丈夫です。
いやむしろ積極的に取り入れたら健やかな成長をサポートするスーパーフードになりうるので、お母さん方は、ぜひ台所に常備してあげてくださいね。
⬛️はちみつとメイプルシロップの対比表
メイプルシロップとはちみつは保存方法が違いますメープルシロップとはちみつは保存方法が違う
メープルシロップは、常温で保存するとカビが生える恐れがあり、開封後は冷蔵庫に保存しなければなりません。長期の保存には向いていないため、開封後は1〜3ケ月以内に使い切ることをお勧めします。
逆にはちみつは、冷蔵庫で保存すると結晶が出やすくなるので冷蔵庫での保存はNGです。はちみつ自体に殺菌性があり糖度も高いため腐りにくい性質を持っているので、夏場でも常温で保存してください。
このように、保存方法は全然違うんですね。長期に渡って使用したい場合は、はちみつが良さそうです。
メイプルシロップを詳しく調べてみました
はちみつは別の記事でも詳しく説明しているのですが、以外にメイプルシロップのことは知らないことに気づきました。そこで皆さんと一緒にメイプルシロップのことをもっと勉強してみたいと思います。ホットケーキにかける単なる甘味料だと思いきや、結構奥が深くて驚きますよ〜。
生産国
全世界の生産量 の80%を占めるのがカナダで、残りはほとんどがアメリカ合衆国のカナダ寄り。なお、カナダでは、東部のケベック州が90%と圧倒的なシェアを占めています。原料のカエデが寒い地域でしか生育しないことも要因ですね。カナダの国旗はこのカエデがシンボルに使われれているぐらいですから納得です。日本国内でもほんの少し埼玉県や山形県で採取されているようです。
生産方法
カエデの木に傷をつけて、そこから滲み出る樹液を煮詰めて作られます。集められた樹液はメープルウォーターと呼ばれ、その時点では糖度が約3%程度。そこから糖度約66%になるまで時間を掛けて煮詰めていきます。そうすると、サラサラした透明の液体から色のついたメープルシロップに変化していくのです。ビンに詰められた1本のメープルシロップを作るのに、なんと4倍量ものメープルウォーターが必要になるそうです。ちなみに、カナダではメープルウォーターも販売されていて、さらっとした甘味のある天然素材の飲み物として人気があるそうですよ。なかなか、これは日本では入手が難しいですね。
メープルシロップの色の違いで4つにグレードに
主にカナダで生産されるメイプルシロップですが、2017年からグレードの等級基準新しく設定されました。というか、メイプルシロップにグレードがあったって知っていましたか?
グレードは4種類色の濃さで決められます。
この写真のように、色の濃さの4段階の違いは、メープルウォーターの採取時期によるものらしいです。同じカエデの樹から採れる樹液でも、傷をつけてから初めのころに採取されるメープルウォーターと、あとのものでは色や味わいが異なるのです。メープルシロップの色は、光をどのくらい通すかを表す「透過率」で4種類に分けられ次のようなグレード名で表記されます。
グレードにより値段が高価になるという訳ではなく、色味と風味が段階を追うごとに色濃く味わいも深くなっていくのです。購入の際にはぜひ参考にしてみてください。
■4種類の特長
・ゴールデン(デリケートテイスト)
光の透過率75~100%。最も色が薄く金色。樹に穴を開けて最初のころに集められた樹液を煮詰めて作られています。さっぱりした繊細な味わいで、主にそのまま料理に掛けて味を楽しむのに向いています。
・アンバー(リッチテイスト)
光の透過率50~74.9%。透明感のある琥珀色をしています。ゴールデンの次に集められた樹液で作られ、最も多く流通するこれぞメイプルシロップという代表的なグレードです。さまざまな料理に使用される定番グレードです。
・ダーク(ロバストテイスト)
光の透過率25~49.9%。アンバーよりも濃い茶色となります。アンバーよりもあとに集められた樹液で、メープルシロップの風味が強くなり、人によって好き好みが出てくる可能性があります。
・ベリーダーク(ストロングテイスト)
光の透過率0~24.9%。コーヒーのような色合いをしています。採取が一番遅い時期のものです。メープルの風味が強く、濃厚な味わいとなり、完全に好き好みが別れるかもしれません。まあ、メイプルシロップ上級者向けといった所でしょうか。
以上が4つのグレードでした。はちみつでは花の種類で味わいの違いを楽しむように、メイプルシロップもこのグレード別で味わいを楽しむのもいいのではないでしょうか。
メイプルシロップのグレードが変わると成分も変わる?
メイプルシロップの主な成分は先に挙げた表の通りですが、これは平均的な数値なので、グレード別ではありません。グレード別の成分対比表は公表されているものを見つけることはできませんでしたが
シーズン当初はショ糖が多い→シーズン終盤は果糖とブドウ糖の割合が増加する
といった変化はあるようです。グレードが上がると甘みが増していくんですね。
以上がメイプルシロップ大調査でした〜。
メイプルシロップとはちみつの商業上の違い
ここまでは2つの成分上の違いなどをお話ししましたが、最後にちょっとおもしろい違いをお話ししますね。消費者の皆さんには直接の関係はありませんが、ちょっとした雑学として知っておけば、ティータイムの話のネタにはなるかもしれませんよ(笑)
実は、商業上の定義で行くと
メイプルシロップ→農産物なんです。農業の生産収穫物なんですね。正確にはカエデの樹液の収穫が農業なんです。
はちみつ→畜産物なんです。ミツバチは家畜なんです。ミツバチを飼育する時はちゃんと市区町村に家畜として届出を出さないといけないのです。そしてそのミツバチが採取したはちみつは畜産物となるのです。※詳しくはこちらの記事でお読みください。
こうなると、この2つはただ甘くて褐色の液体というだけで全く違うものだということがわかりますね。
どちらがいいとか悪いとかではなく、自分の目的や好みで使い分けて、甘みを楽しんでいきましょうね。