お薦めのはちみつの話

セイヨウミツバチとニホンミツバチのはちみつの違いと特徴

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私たちは「はちみつはミツバチが採取してくれたもの」ということは知っていますが、そのミツバチのことはあまり詳しくは知りませんよね。

でも本当は、例えば新鮮で美味しく、そして何よりも安心な野菜を購入するには、その野菜がどの地域のどんな農家の人が栽培してくれたものなのかを知ることが大切であるのと同じで、

はちみつも、どんな養蜂家がどんなミツバチを使って、どんな採集方法をしているのかを知ることから始めるといいのだと思うのです。

今日は3月8日。なんと「みつばちの日」なんですよ。この日に敬意を表して、今回はミツバチのことをお話ししましょう。

ミツバチにも大きく2種類いるのを知っていますか?

国内の養蜂家が飼っているミツバチには、大きく2種類あるのを知っていましたか?

セイヨウミツバチと日本ミツバチの2種類です。この2種類は同じミツバチではありますが、集める蜜の種類や、性格、行動などかなり異なるので、そのことを知るだけでもとても面白く、むしろはちみつよりもミツバチそのものに興味が湧いてくるかもしれませんよ。

私はその口で、はちみつ好きから、ミツバチに興味がうつり、そしてミツバチを飼ってしまうまでになってしまいました(笑)

 日本ミツバチの写真

 セイヨウミツバチの写真

この二つの写真を見比べれば一目瞭然ですね。大きさの比率もこんな感じです(セイヨウミツバチが大きい)。

見た目の特徴としては、

●日本ミツバチは全体に少し黒っぽく、胴体と尾の付け根まで黒の縞模様が綺麗に順番になっている。群れ(1コロニー)の単位は5000匹前後が多いです。

●セイヨウミツバチは全体に黄色っぽく、胴体と尾の付け根部分の黒の模様が徐々に細くなり黄色くなっていくグラデーション模様。群れの単位は3〜50000匹単位です。

個体の大きさは、日本ミツバチは少し小さく日本ミツバチの体長は約10~12mm、体重は約60~80mgです。

西洋ミツバチは日本ミツバチより少し大きく体長は約12~14mm、体重は約110~130mgです。

セイヨウミツバチとニホンミツバチのはちみつの違いと特徴

ミツバチとセイヨウミツバチの違いを上げていくとたくさんあるのですが、皆さんが一番気になる「蜜」の違いについて先に説明しておきますね。

先ほどの2種のミツバチの違いで書いたことが実はこのはちみつの味に大きく影響しているのです。

まずは日本ミツバチの蜜の特徴からみていきましょう

日本ミツバチは、体も小さく、また巣の単位も5000匹程度と少なめなので、春の時期から秋の終わりまでずっと花の蜜を集め続けます。人間が採蜜できるまでかなり期間が長く、その間に季節が変わっていくのですが、そうなると咲いている花の種類もどんどん変わってきますよね。しかも、日本ミツバチは、それぞれの働きバチが色々な蜜源から蜜を採取してくる習性があるそうです。レンゲが咲き誇る時期に、セイヨウミツバチが持ち帰るほとんと全ての花粉団子の色がオレンジな時でも、日本みつばちの場合は、白・黄色・橙色など様々な花粉の色が目立つことからもわかると思います。

結果的に、日本ミツバチのはちみつは、

●様々な季節の様々な花から集められたはちみつとなります。いわゆる「百花蜜」と呼ばれるものです。そのため、色々な花の花蜜や花粉がブレンドされることになるので、栄養も自然と豊富になるのです。また、巣からはちみつを取り出す方法によっても、はちみつの味や栄養が変わるのも知っておいた方が、購入の際の参考になると思いますので、説明しておきますね。

大きく2つの採取方法があるのですが、まず1つめ。日本ミツバチの巣はとても柔らかいため、巣ごと掻き出して中にあるはちみつ、ローヤルゼリー、花粉、蜂の子、蜜蝋を一緒に荒い網で濾しただけの昔ながらの製法である「絞り蜜」という製法です。これはミツバチが人間に与えてくれる栄養価の高いものが全て混合されていますから、栄養がとても豊富で、古来より、民間薬、滋養食として重宝されてきました。

もう一つが、近年の採取方法として、純粋にはちみつだけを分離して採取する「垂れ蜜」というものがあります。これははちみつの入った巣からゆっくりとはちみつを垂れさせて採取する方法です

何れにしても、日本ミツバチの集めるはちみつは独特な風味があります。またやや水分の凝縮が進んでいないことが多く、西洋ミツバチの蜂蜜が水飴っぽく、日本みつばちの蜂蜜はさらっとした感じがします。

日本国内はもちろん、海外でも養蜂に使われているミツバチはセイヨウミツバチです。ですから、この日本ミツバチから得られるはちみつは生産者が少なく、日本に流通する全体はちみつ量のわずか0.1%しかない、とても貴重なものとなっています。

ですから1kgで4〜5万円はするのが普通です。もし安い値段で日本ミツバチのはちみつとして売られていたら、偽物であることを疑ってください。

あ、一つ付け加えておくと、日本ミツバチは「プロポリス」は集めません。プロポリスはセイヨウミツバチだけが集めてくるものなんですね。

ではセイヨウミツバチのはちみつ特徴はどうでしょう?

セイヨウミツバチは体も大きく、巣の働きバチの数も多いため、特定の花が咲くそれぞれの時期に一気に蜜を集めることが可能です。レンゲの時期ならレンゲ、アカシアならアカシアと、花の咲いている時期に一気にその花の蜜を集めることができるのです。また特性としても「訪花の一定性」というのがあり、主流の蜜源が決まると、例の「はちダンス」で仲間に蜜源を教え一気にそこにみんなが向かっていくのです。結果的に「アカシアはちみつ」「レンゲはちみつ」のような特定の花のはちみつを採取することができるわけです。これを「単花蜜」と言います。

そして結果、それぞれその花の蜜の特徴がそのままはちみつの味に反映されることになります。味は、日本ミツバチのはちみつが複雑で独特の風味があるのに対して、セイヨウミツバチのはちみつはあっサリとした味わいで、花により色々な味わいを楽しむことができるのが特徴です。

もちろん、セイヨウミツバチでも、その時期やエリアによっては、様々な花から集めてこなければ十分な蜜が得られない場合もあり、結果的に百花蜜になってしまうこともあるようです。

セイヨウミツバチと日本ミツバチの集めるはちみつの特徴まとめ

はちみつ好きにとっては、どちらのはちみつもそれぞれ特徴があり、どちらが良いとは決めることは難しいです。要は、目的と好みによるということです。

皆さんが、はちみつに求める効果や使用シーンによって使い分けて楽しむのが一番いいのだと思います。

ここではかなり私の主観も入ってしまっているかと思いますが、はちみつ選びの一つの基準として見ていただければと思います。

●美容や健康を主体に考えるなら

日本ミツバチのはちみつがオススメ。前述したように、日本ミツバチは100花蜜のため、含まれる栄養素が複雑で豊富です。そしてはちみつ本来の抗菌効果も高いため美容や健康のために食べたり、化粧品と混ぜて使うにはオススメです。家庭の常備薬としておいておくといいですね。価格的にも効果なので、それなりの効果を期待した使い方でなければもったいないとも言えますし(笑)

●スイーツにかけて食べるなら

それはもうセイヨウミツバチのはちみつでしょう。レストランで使用されているのもセイヨウミツバチのはちみつが主流なように、くせがなく、スイーツに合うんですよね。しかも、レンゲやみかん、コーヒーなど、集めた花の特徴である味も選んで楽しむことが出来るのも嬉しい特徴ですよね。価格的にも手頃なので、普段普通に使い続けるにはお財布にも優しいです。

もちろん、こちらのはちみつも、ちゃんとしたはちみつなら抗菌効果もありますから、スイーツだけでなく美容や健康のためにも使えます。

はちみつ選びでの注意事項

他のブログでもくどいぐらいお話ししているのですが、上記のどちらのはちみつであれ、「無加熱の純粋はちみつ」であることを必ず確かめて購入することをオススメします。加熱されたはちみつは、それが日本ミツバチからであれ、セイヨウミツバチからであれ、はちみつ本来の風味が薄れ、酵素や栄養素が熱で破壊されているため本来の抗菌効果を期待することができません。

純粋はちみつ」「生はちみつ」「国産はちみつ」など表現は様々ですが、「無加熱」ということが大切なのです。

また、生後1年未満の赤ちゃんがいる方は、ボツリヌス菌の心配が両方ともありますから同様に注意が必要です。もちろんアレルギーもです。日本ミツバチの場合は、様々な花の花粉も混在していますから、セイヨウミツバチのはちみつより注意が必要かもしれません。摂取した時に肌や口内、体調に異常を感じたら診察を受けて、それ以降の摂取は医師の判断を聴いた方が無難です。

以上、2つのミツバチの特徴をお話ししました。

実はもっと、この2つのミツバチにはおもしろい違いがありますので、別のブログでそれは書きたいと思います。

そちらもどうぞご覧くださいね。

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