皆さんが一言で「はちみつ」と呼んでいる「蜂蜜」ですが、どのように作られて私たちの食卓に並ぶと思いますか?誰がどのように作ったものなのか、知っておかないと優れた食品と思って摂っていたものが、全く違ったということもあり得るのです。特にはちみつは、採取からどう加工されたかにより、全く違う食べ物になってしまうといっても言い過ぎではないのです。
ここでは、まず一番に知っておかなければいけない分類について説明します。やれアカシヤがいい、レンゲがいいなどと、どの花の蜜かを議論する前に必ず、はちみつの基本的な知識を身につけておきましょう。
目次
間違いだらけのはちみつ選び
はちみつには大きく4つの分類(種類)があるのを知っていましたか?あまり意識したことはないですね。
- 純粋はちみつ(非加熱)
- 純粋はちみつ(加熱)
- 精製はちみつ
- 加糖はちみつ
の4つがあり、それぞれお店で流通していて、私たちはその区別をわからずに、「はちみつの見た目」「価格」「パッケージデザイン」「メーカー名・知名度」などを基準に手にとってしまいがちです。
- CMで見た有名メーカーのやつだから安心だろう。
- 見た目が透き通っていて綺麗なはちみつだから美味しそう。
- 高級そうな瓶に入っているからいいはちみつだ。
- 瓶の中で凝固していて見た目が悪いから品質悪そう。
おそらくこんな感じですね。
しかし、これから説明する内容を読んだら、はちみつコーナーを見る目が180度変わりますよ。今まで何をしてたんだろう!と反省もするはずです。
本当に効果効能がある本物のはちみつは「非加熱の純粋はちみつ」だけ!
いわゆる抗菌殺菌作用があり、栄養価の宝庫であるはちみつと言えるのは「純粋はちみつ」だけなんです。しかも非加熱の。
他の3つのはちみつは早く流通させられるように、そして消費者受けしやすいように人工的に加工された工業製品なんです。
その作り方を聞けば、それをよく理解してもらえるはずです。
純粋はちみつとは
全国はちみつ公正取引協議会の規定によると、
ミツバチが作ったはちみつに何も混ぜていないもの。国産では水分含有量が23%以下、海外産では20%以下という基準があります。
これが基準です。
では本当の純粋はちみつとは?
ミツバチが集めたてのはちみつは水分量がとても高いのですが、巣の中で働きバチたちが、小さな羽を羽ばたかせゆっくりゆっくりと水分を飛ばしていき、完熟させ高品質のはちみつにしていきます。最初から最後までミツバチたちが手をかけたものが本物のはちみつと言えるのです。なにせ蜂の蜜ですから・・・人蜜ではないのです。
しかし、養蜂業者の中にはコストと効率を考え、じっくり待つことができない所も多くあります。早く出荷したい業者は、まだ完熟していないのに、あえて高温加熱処理し水分を飛ばして規定の水分含有率内にします。そして、その過程で高温になったはちみつは本来豊富に含まれていた「栄養成分、酵素やビタミン」を壊され、効能のない低品質の甘いだけのはちみつになってしまうのです。
全国はちみつ公正取引協議会の規定では「水分含有量23%以内であり混ぜ物がない」という基準を満たせば、高品質の非加熱はちみつも、低品質の加熱はちみつも、両方とも「純粋はちみつ」として同一のものとして売られてしますのです。もちろんラベルに記載義務がないため、私たち消費者は見分けることができません。
精製はちみつとは
はちみつから、特有の香りや色を取り除き加工したものです。香りや色があると清涼飲料水や食品加工には使用しずらいためこの加工がされます。もちろん、この加工をする過程で本来のはちみつの栄養素は破壊され、なんの効能も期待できないただの「はちみつ味の糖分」になってしまいます。一時大ブームが起きた蜂蜜レモンのドリンクや飴など、ただはちみつの名前を付けたはちみつ味の甘い食品でしかないのです。
加糖はちみつとは
はちみつに果糖ブドウ糖を加えたもので、はちみつの含有量が全体の60%のもの。これも、加工がされているので本来の効能はない、より甘いはちみつですね。ホットケーキ用に市販されているはちみつはこの部類でしょう。
これは、実は私が一番大好きなホットケーキ用はちみつなのですが、もうこれは「はちみつ」とうたってさえいません。ただの、はちみつ風のケーキシロップでしかないのです。
まず、そもそもはちみつはどうしてできる?
これは皆さん知っていますね。そう、ミツバチが花から「花の蜜」を集め、ミツバチの巣に貯めたものがはちみつです。
野菜でもお肉でも、今は消費者の目が厳しく、生産地、生産者名、そして生産方法まで目を光らせていますが、はちみつの場合はどうでしょう。
そこまで意識している人は少ないのではないでしょうか。ここでは、生産者である花と加工者であるミツバチの話をします。
最初、花についているのは「花の蜜」であって、私たちが普段口にするはちみつとは異なり、少し甘くてさっぱりした味わいのものなんですね。
それをミツバチが口で吸って蓄えて、巣に持ち帰り、さらに巣の中では他の働きバチがそれを口で受けて、蜂の巣のハニカム構造の一つ一つに花の蜜を流し込み蜜蝋で蓋をするんです。
実は、この過程で、ミツバチの唾液の中に含まれる酵素が花の蜜に混ざりこみ、そして巣に貯蔵されている間、その酵素の働きでゆっくりと花の蜜が発酵します。この発酵を経てようやく「蜂蜜」となるんです。蜂蜜(はちみつ)は発酵食品だったんですね。皆さん知らなかったでしょう。ミツバチはとても優秀な発酵職人で、この作業を何千年、何万年とやってきたのです。
そして、最初に書いたように、巣の中で働きバチたちが、小さな羽を羽ばたかせて、溜め込んだはちみつの水分を飛ばしていくことで、より成分が凝縮され粘り気のある、あのとろ〜としたはちみつになるんです。
この自然のはちみつを本物の「純粋はちみつ(非加熱)」と呼ぶわけです。
まとめ。本物のはちみつを手に入れるためには。
このように、市場には本物ではない、品質を変えられた偽物のはちみつが多く出回っています。偽物にいくら効果効能を求めても、フライパンで炒った種を蒔いて発芽を待つようなものです。無駄なのです。
巷で言われるようなはちみつの効果効能を期待したいなら、非加熱の純粋はちみつを手に入れましょう。
そのためには、
●判断基準の一つははちみつの透明度。瓶を透かして見ると本物のはちみつは花粉などが混じっているため濁っています。透明な場合は、まず加工品であることを疑ってみましょう。
●値段が安いものは加工品である可能性が高いです。本物のはちみつは、効率が悪くコストがかかるので高品質=高級品なのです。
●信用できる所から購入しましょう。はちみつ専門店や生産者である養蜂場などで、「非加熱の純粋はちみつ」をください。と言いましょう。普通のスーパーやコンビニでは定員さんにそれほど知識がないため???という顔をされてしまいます。
以上、いかがでしたか。最後に言いたいのですが、私は何も偽物の加工はちみつがダメだと言いたいわけではありません。私がケーキシロップが大好きなように、その用途にあっているのならそれはそれでいいのです。
本来のはちみつの効果効能を期待して摂取したいのであれば、本物の純粋はちみつを入手しなければ、結果、あなたの健康、美容への努力が無駄になってしまいますよと警告しているだけなのです。ぜひ参考にしてください。