知らないと損するはちみつの基本知識

はちみつが結晶化したけど大丈夫?

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はちみつに関する質問で一番多いのは結晶化に関してです

とても身近な食品であるはちみつですが、意外に知られていないことが多く、間違った情報がまことしやかに事実のように伝わってしまっていることもあるようです。その中の代表選手がはちみつの結晶化に関する事が一番多いようです。とろ〜としていて甘いのがはちみつの特徴ですが、冷蔵庫から取り出してみると、白く結晶化してしまっていたなんて事ありますよね。あの結晶化したはちみつをみて、腐ってしまった!カビてしまった!と勘違いして捨ててしまうか方も多いようです。結晶化すること自体が知られていないようですね。

しかし、皆さん早まらないで!大丈夫です。決して腐ったりしたわけではありません。品質が落ちたりしたわけでもありませんので、これからお伝えする方法で元のとろ〜としたはちみつに戻して楽しみましょう。

はちみつはなぜ結晶化するの

今回は、そもそもなぜはちみつは結晶化して固まってしまうのか、固まってしまった際の戻し方、溶かし方のレシピをご紹介しますね。

はちみつが結晶化する理由は?

はちみつが固まる主な原因は温度です。寒い室温や冷蔵庫で保存しておくと、結晶化して固まることが多くなります。それは、はちみつに含まれるブドウ糖の性質によるものです。しかし、低温であればあるほど、固まりやすいというわけではなく、外気温が15~16度以下になると結晶しやすくなってきて、13~14度くらいが最も結晶しやすいようです。また、はちみつの種類によって、ブドウ糖と果糖の割合が変わり、果糖が多く含まれるはちみつは結晶化しにくいとされています。

日本の純粋はちみつの規格では21%が水分で79%がはちみつの成分である糖分(主にブドウ糖)となっています。本物の純粋はちみつに含まれるこのブドウ糖が結晶化の原因になるわけなので、

結晶化は本物のはちみつの証とも言えるわけです。

※本物の純粋はちみつに関する説明はこちらを参照→知らないと大変 偽物だらけのはちみつ

結晶化は温度だけではなく、振動によっても引き起こされると言われています。ですから、冷蔵庫のブーンという振動や、はちみつの入れ物を振ったりすることで結晶化を早めてしまうこともあるわけです。※後ではちみつの保管方法をお話ししますが、この冷蔵庫に保管している時点で失格ですね(笑)

また、はちみつに混ざっている花粉が多いと、それを核にして結晶化しやすいようです。写真のように、最初は白い粒々が点々と結晶化していきますので、まるでカビが生えてきたように勘違いしてしまうのも仕方ないかもしれません。見た目も気持ち悪いですよね。

でもちゃんとした知識があれば、全然問題ありません。あっ、結晶化しちゃったな〜。で済むわけです。

結晶化して固まったはちみつは食べても大丈夫?

はちみつは白く結晶化して固まってしまっても、品質や成分が変わったわけではありません。当然腐っているわけでもありませんから、そのままでも問題なく食べることができます。

中には、この結晶化したはちみつのシャリシャリ感がいい!というファンもいるぐらいですから、あえてこの状態でパンにのせて食べたり、その食感を楽しむのもいいですね。最近は、結晶はちみつとして、あえて結晶化した状態のものも製品化されているようです。写真の結晶はちみつは、練り上げてある程度の粘度を出してあるのでパンなどに塗りやすいそうですよ。

結晶化したはちみつを元に戻す方法

はちみつは結晶化しても味や風味、品質には全く問題はありませんが、容器からも取り出しにくく困ってしまいますよね。

そこで固まってしまったはちみつを戻す方法をいくつかご紹介します。基本的に、温めて溶かす方法になりますが、本物の純粋はちみつはあまり高温に加熱すると、はちみつ本来の風味だけでなく、酵素や栄養素まで壊してしまい、せっかくのはちみつを台無しにしてしまいますから注意が必要です。急速に加熱するのも良く無いようです。よく説明を読んで試してくださいね。

湯煎(ゆせん)で溶かす

この方法は手間と時間がかかりますが、あのとろ〜とした舌触りのはちみつに戻すことができます。

1.まずできるだけ高さのある鍋に水を入れます。そこに蓋を外した状態ではちみつを容器ごと入れます。蓋を外さないと加熱した時に中の空気が膨張して破裂する恐れがありますから注意しましょう。また、水の高さもできるだけ容器の上部まで浸かるぐらいが適量となります。
2.次に鍋に火をかけます。お湯の温度が50〜60℃くらいになったら、はちみつをかき混ぜ、結晶を溶かしていきます。はちみつは高温になりすぎると、成分が変化してしまうので、温度が上がりすぎないように注意が必要です。できれば、温度計があるといいですが、無い場合は、私は指を一瞬お湯に浸けてみます。お風呂の温度が通常40〜45度程度ですからあれよりも少し熱め程度だと思ってください。火傷には気をつけてくださいね。
3.途中、スプーンなどでかき混ぜて、ムラをなくすようにしましょう。少しでも結晶が残っているとそこを核にして、すぐにまた結晶化が進んでしまうようです。
4.はちみつが元の状態に戻ったら、お湯から出して自然に冷やします。

お風呂に浸ける

お風呂の温度は先ほど記載したように40〜45度なので少しぬる目になりますが、ある程度は元に戻すことが可能です。沸かし始めからナイロン袋に入れた容器を湯船に入れておくと、沸かしている間にじわじわと湯煎したのと同じ効果が得られます。ただ、容器をかき混ぜたりはできませんから、あくまでも急場しのぎで湯煎の手間を省きたい場合に限ります。

電子レンジを使う

この方法は、温度調整が難しいためザラザラとした舌触りが残ったりすることもありますが、急いでいるときなどに手早くできる方法でしょう。

使う分量だけ耐熱ガラスに入れて、電子レンジで温めます。加熱し過ぎないよう短い時間から温め始め、様子を見ながら調整すると失敗なく溶かすことができます。また、電子レンジは温めムラができてしまうので、途中で時々かき混ぜましょう。

ただ、私はこの方法は、油断するとすぐ高温にしてしまいますし、なんか電子の影響ではちみつの成分を壊してしまうような気がするのであまりオススメはしていません。

その他にも「ホッカイロを使う」などの工夫をされる方もいらっしゃるようですが、いずれにしても、加熱することで、あのはちみつ独特のとろ〜とした見た目と食感を再度楽しめることは間違いありませんので、皆さん絶対に捨てたりしないでくださいね。

結晶化させずに保管する方法

そもそも、本当は結晶化させずに保管するのが一番良いわけです。では、どんな保管方法なら大丈夫なのでしょうか?

はちみつの容器に表示されている賞味期限は2〜3年ほどですが、はちみつは適切に保存していれば、はちみつ自体に殺菌能力があるため、基本的に常温保管でも腐ることはないと言われています。ですから冷蔵庫に保管する必要はありません。逆に冷蔵庫だと結晶化を促すことになりますので、むしろ冷蔵庫は避けるべきだと思います。

結晶化は室温16度を下回ると発生し始めるので基本その温度以上のところでの保管が望ましいですが、日本国内で年中その気温が保てるのは沖縄ぐらいなものでしょう。

ですから少しでも高い気温が期待できる上の方の棚が理想的ですね。暖かい空気は上に溜まりますので。でも、あまり使わない上の棚に置いておいて、忘れたままにしてしまうことのないように注意してくださいね。

ちなみに、はちみつは種類によって結晶化の進み方が異なりますので、いくつかの例を挙げておきますね。

【はちみつの種類による結晶化】

結晶化しにくい:アカシヤ、リンゴ、ラズベリー、レンゲ
結晶化がふつう:クローバー、ミカン、マヌカハニー、トチ
結晶化しやすい:ナタネ、ヒマワリ、ウド

アカシヤ蜜などは冬場でも固まらないことがあります。

また、結晶の核となる花粉が徹底的に取り除かれていたり、水あめなどが混ざっていると固まらないのも確かです。純粋はちみつはいずれは結晶化するものですが、保存方法に気を付ければ結晶化を遅らせることが可能ですよ。

まとめ

はちみつの結晶化、いかがでしたか。保存料や化学品が使用されていない自然由来の食品なのですから、結晶化は本物の証、安心の証だと思えば、むしろ感謝の気持ちが起こりませんか?

私たちは、このことも楽しみながら、自然とミツバチに感謝し、はちみつとうまく付き合っていくほうが自然なのだと思います。

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