最初にお伝えしたいのは、はちみつは健康や美容、何よりも体に良く、多くの効能が知られている食べ物で、本当に太陽とミツバチからの素敵な贈り物なんですよという事です。決して怖い食べ物ではありません。ただ、自然のものですから、いくつかの注意しなければならないことがあるということです。その一つが、まだ体も免疫も十分育っていな乳児の摂取に関してなのです。
様々な効果や効能のある「はちみつ」ですが、赤ちゃんに食べさせていいかどうかは、いつも聞かれるNO1の質問です。また、赤ちゃんには食べさせてはいけないのは知っているけど、妊娠中や授乳中にお母さん本人も食べて大丈夫かどうかは意外に知られていませんよね。
- 赤ちゃんに食べさせても大丈夫?
- 妊娠前からはちみつが大好きで食べていたけど妊娠しても大丈夫?
- 栄養的にも美容にもいいはちみつだけど、妊娠中に食べても大丈夫?
- 出産した後、授乳中に食べても母乳は大丈夫?
このサイトでは、このような疑問にもお答えします。
まずは赤ちゃんが食べていいのかどうか。をこの記事では記載します。
妊娠前後のお母さん自身の摂取に関してはこちらの記事をご覧ください。→妊娠中・授乳中にはちみつを食べて大丈夫?
目次
ズバリ、はちみつは乳児の時にはあげないで。
「乳児にはちみつを与えないで」はお母さんが出産した後、産婦人科や保健所でもそう注意され、母子手帳にも記載されているのでよく知られている事です。毎年、多くの赤ちゃんの命に関わるトラブルが起こるため、厚生労働省や消費者庁などの官公庁からも呼びかけられている事項ですね。
まずは、それぞれの関係省庁から出されている「乳児のはちみつ摂取」に関する注意喚起文を下記に転記させていただきます。
厚生労働省から出されている乳児のはちみつ摂取への注意喚起
ハチミツを与えるのは1歳を過ぎてから。以下厚生労働省HPより引用
◼️重要なお知らせ
赤ちゃんのお母さん・お父さんやお世話をする方へ
1. 1 歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあります。
2. ハチミツは1歳未満の赤ちゃんにリスクが高い食品です。
3. ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません。1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないようにしましょう。◼️食品事業者の方へ
ハチミツおよびハチミツを含む食品は「1 歳未満の乳児には与えないで下さい。」という情報を、表示などにより消費者に分かりやすく提供するようお願いします。◼️詳しい情報
赤ちゃんのお母さん・お父さんやお世話をする人へ
1. 1 歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがあります。[乳児ボツリヌス症の発生状況]
乳児ボツリヌス症は、国内では、保健所が食中毒として報告した事例は1986 年以降3 例、医師が乳児ボツリヌス症として報告した事例は1999 年以降16 例あります。また、欧米でも発生しており、米国では毎年100 例以上の発生報告があります。
乳児ボツリヌス症の発生原因は、食品としてハチミツが指摘されていますが、ハチミツを食べていない例(国内では井戸水)も報告されています。2. ハチミツは1歳未満の赤ちゃんにリスクが高い食品です。
ボツリヌス菌は、土壌中などに広く存在している細菌です。ボツリヌス菌が食品などを介して口から体内にはいると、大人の腸内では、ボツリヌス菌が他の腸内細菌との競争に負けてしまうため、通常、何も起こりません。
一方、赤ちゃんの場合、まだ腸内環境が整っておらず、ボツリヌス菌が腸内で増えて毒素を出すため、便秘、ほ乳力の低下、元気の消失、泣き声の変化、首のすわりが悪くなる、といった症状を引き起こすことがあります。ほとんどの場合、適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。
なお、1歳以上の方にとっては、ハチミツはリスクの高い食品ではありません。3. ボツリヌス菌は熱に強いので、通常の加熱や調理では死にません。1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないようにしましょう。
一般的に、ハチミツは包装前に加熱処理を行わないため、ボツリヌス菌が混入していることがあります。また、ボツリヌス菌(芽胞)の耐熱性は120℃,4分とされており、通常の加熱や調理では死にません。
◼️食品事業者の方へ
ハチミツおよびハチミツを含む食品は「1 歳未満の乳児には与えないで下さい。」という情報を、表示などにより消費者に分かりやすく提供するようお願
いします。
消費者庁からも同じように、乳児のはちみつ摂取についての注意喚起が出ています。各省庁が注意喚起するのですから気をつけないといけませんね。
※以下消費者庁HPより引用
消費者庁から乳児のはちみつ摂取の注意喚起
甘くて美味しいハチミツですが生後1歳未満の乳児には与えてはいけません!
乳児ボツリヌス症を発症することがあります。特に乳児のいるご家庭や児童福祉施設等は、以下のQ&Aを参考にしてください。
普段乳児のお世話をしていない方への情報提供も重要です。よくある質問
Q
ボツリヌス菌とはどんな細菌ですか?
A
ボツリヌス菌は、乾燥や熱に強い「芽胞(がほう)」を形成する菌で海、川、湖や土壌に広く存在しています。「芽胞」は、酸素の少ない状態で発芽して増殖し、極めて強い毒素を産生します。また、芽胞の状態では、一般的な細菌と異なり、100°C数分間の加熱でも生き残ることがあります。Q
乳児ボツリヌス症とはなんですか?
A
生後1歳未満の乳児においては、腸内環境が成人とは異なり、腸管内でのボツリヌス菌の定着と増殖が起こりやすいとされます。ボツリヌス菌は、芽胞(がほう)を形成しますが、この芽胞で汚染された食品を乳児が食べると、腸管内で発芽、増殖して、毒素を産生して乳児ボツリヌス症を発症することがあります。
症状は、便秘が数日間続き、全身の筋力低下、脱力状態、哺乳力の低下、泣き声が小さくなる、特に、顔面は無表情となり、頸部筋肉の弛緩により頭部を支えられなくなるといった症状を引き起こすことがあります。ほとんどの場合、適切な治療により治癒しますが、まれに亡くなることもあります。Q
なぜ生後1歳未満の乳児にハチミツを与えてはいけないのですか?生後1歳以上であれば大丈夫ですか?
A
大人の場合、ボツリヌス菌が体内に入っても、他の腸内細菌との競争に負けてしまうため、問題になることはありませんが、乳児の場合は、腸内細菌の環境が整っておらず、ボツリヌス菌が増えて毒素を作ってしまうことがあるからです。
生後1歳以上になると、離乳食等により腸内環境が整う時期となるため、ハチミツを避ける必要はありません。ハチミツは栄養価の高い食品ですが、生後1歳以上になってから与えましょう。
以上が国の正式な機関から出されている情報です。乳児のはちみつ摂取に関してのよしあしは諸説がありますが、まずは危険性があるということは事実なので後悔しないためにも注意喚起を守りましょう。
お母さんだけでなく、周りの人全員が注意が必要です
乳児にはちみつを食べさせてはいけないことをお母さんだけが注意をしていては不十分です。
- お父さん(パパ)
- おじいちゃんやおばあさん(両家の)
- おじさんやおばさんといった親戚
- 乳児に兄弟がいる場合は、その子達
これらの人たちは、「はちみつ=甘くて体にいい」、美味しいもの、といった知識しか持っていない可能性もありますね。
悪気なく少し指につけて舐めさせたりすることがあるかもしれません。お母さんがずっと見張っているわけにはいかないのですから、少なくとも赤ちゃんの世話をする可能性がある人たちには注意をしておきましょう。
一番いいのは、乳児がいる間は家にはちみつを置かないこと。
皆が注意していても、どこかにおいてあったものや、食べ残したものを、1歳近い赤ちゃんなら自分で舐めてしまう恐れもあります。この頃の赤ちゃんはハイハイしながら、どこでも動き回り、なんでも口に入れて試して感じてみる年頃ですから気を抜けません。
てはちみつを、持たない、使わない、持ち込まない!が一番安全です。
ただ、別のページで説明しますが、最初の疑問にあげていた妊婦や授乳中のお母さんがはちみつを摂取していいかに関しては、答えは「全然問題ない。むしろ積極的に活用した方が良い。」なのです。栄養的にも、美容的にも、精神的にも妊産婦にとって素晴らしい食品なので、
本音を言うと、「注意しながら妊産婦は利用する」が大正解なのだと思います。
まとめ
以上のように、はちみつは生後1歳未満の乳児には与えないようにした方が良いようです。そして、そのためにお母さん本人だけでなく、家族はもちろん周りの大人、子供までそのことを理解してもらい、みんなで赤ちゃんを見守ることが大切です。
また、はちみつ自体は、とても素晴らしい食品、太陽とミツバチからの贈り物なのですから、正しく取り扱い、健康と美容のためにも取り入れていかれることをお薦めします。